ビンテージの食器は長い時を経て現代の私たちにもその魅力を伝えてきてくれました。これも前のオーナーさん達が大切にしてきてくださったからなわけですが、そんな貴重なビンテージはこれからも長く大事に使っていきたいですよね。そのためにはちゃんとしたケアが欠かせません。今回はビンテージの食器を使ってて付いてしまう焦付きを傷める事なく落とす方法をご紹介いたします。
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私のお気に入りである、パイレックスのフレームウェアという代物があるのですが、直火にかける事が出来る耐火性のグラスウェアと、かなり男前なアイテムなのです。
何十年も前の食器である事を気にすることがないくらい非常に頑丈な作りなので、普段からガンガン直火にかけていて、先日はプリンを作った際に使いました。
プリンは失敗しましたが、その後のフレンチトーストは美味しく召し上がることができました。
そこまでは良かったのですが、片付けの時に気付くのです。
スキレットに強烈な焦付きが残ってしまいました。
洗剤をつけたスポンジではビクともしません。水を入れて加熱してみますが、汚れは一向に落ちる事はありませんでした。
こんな時に一番やっていけないのは、無理やりこすり落とそうとする事です。柔らかいガラス製品は非常にスクラッチが入りやすく、それはツヤを損なう原因となります。また、細かいスクラッチに汚れが入りますと、なかなか落ちにくく、見た目も非常に清潔感がなくなってしまうのです。
なので、絶対硬いもので削ぎ落とそうとしてはいけないのはもちろんの事、柔らかいスポンジでも力を入れすぎてはいけません。
また、化学薬品を使うのも避けたほうが良いでしょう。とにかくジェントルに扱う事です。
こするのもダメ、化学薬品もダメ。頑固な汚れはどうすれば良いのでしょうか。そんな時にぜひオススメなのが重曹です。
アメリカですとBaking Sodaという名称で、料理に幅広く利用されるので既にキッチンに用意のある方もいると思いますが、このために買っても良いくらい安いです。ちなみに写真のものは89セントでした。
スキレットに張った水に重曹を溶かしこんでいきます。あとは沸騰するまで加熱するだけです。
これを試す前に、何も入れず水だけで沸騰させたのですが、その時は汚れがまったく落ちませんでした。果たして、重曹を入れると何が変わるのでしょう。
一番最初に感じた違いは、まずかなり泡立ってくる事です。これは間違いなく重曹の力でしょう。
フレームウェアのおかげで内部で何が起きているかわかりやすいです。ガラス表面と焦付きの間に入り込むように次から次へとかなり勢いよく泡が発生し、汚れを内側から剥がしていきます。
ある程度目に見えて汚れが浮き上がってくるようになったら、火を止めて熱が冷めるのを待ちます。
この際、いきなりシンクに持って行って水で冷やす事はやめましょう。急激な温度変化はガラス製品に多大な負荷をかけることになります。
念のため、10分ほど放置するとすっかりスキレットは冷めて、素手で触れられる温度になりました。
かさぶたのように指でぺりぺりとめくる事ができる箇所もあれば、ある程度柔らかいスポンジで優しくこする必要があるところもありましたが、無事に食器を傷つけることなく綺麗に汚れを落とすことができました。
一度で汚れが浮かび上がらない場合、何回か「重曹を入れて沸騰」を繰り返すと大体の汚れを落とすことができます。
頑固な汚れといえば、同じくフレームウェアのティーポッドの茶しぶが気になっていましたので、同じように重曹を入れて沸騰させてみました。
スキレットの汚れと違って、非常に薄い膜のような汚れですが、同じようにどんどん剥がれていく様子が見えます。
以前から重曹の噂を聞いていましたが、実際に体験してみてその力を実感しました。
大切な食器だったので、一時はどうなることかと思いましたが、無事に元通りになってよかったです。
やはり素敵な食器は使ってナンボですが、汚れやダメージを恐れてなかなか使えない方も多いと思います。ただ、「優しく大事に使うこと」と「正しいケア」を意識することでそんなに心配する必要はないのではないでしょうか。
とても簡単ですので、悩んでいた方もこれから積極的に使っていきたいという方も参考にしていただければ幸いです。