2018/03/09

落としても割れない?戦争を乗り越えたミルクグラス食器

豆知識

落としても割れない?戦争を乗り越えたミルクグラス食器

落としても割れない?戦争を乗り越えたミルクグラス食器

  
目次

    また、ビンテージの食器を割ってしまった妻。「もう、ダイソーで食器を買ってくる」と泣きじゃくる彼女に、私が考えた秘策とは?
    これで貴重なビンテージ食器の普段使いはもう怖くない!

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    何十年の前の食器が残っているのはある意味奇跡かも

    モノによっては100歳にもなるビンテージのミルクグラス食器。その状態の良さ、現代にも受け入れられている可愛らしいデザインからなかなか信じられません。しかし、そこはやはりガラス製品。強い衝撃を受ければ割れます。

    そして、また新たな悲劇が生まれました。

    ガラスが砕けた乾いた音のあとに続く、数秒間の静寂。この時点で何が起きたのか大体察するわけですが、今回も見事な割れっぷりでした。

    メソメソと中学生のように泣きじゃくる彼女は、必死に素手で割れた破片を掻き集めようとしていましたが、案の定指先を破片できっていたようで出血していました。

    割れた食器は絶対素手で処理してはいけません。

    ちなみに割れたものは、ファイヤーキングのホワイトのチリボウルです。

    我が家では非常によく使います。ごはん茶碗にしても良いサイズですし、料理で材料入れておくのにも調度良いのです。

    悲劇は電子レンジでチンし終わり、取り出した勢いで外に置いてあったファイヤーキングフィルビーのテーブルサーバーにぶつかってこのように割れたというのです。

    なかなか、ぶつかった程度では割れない食器なのですが、もしかしたら経年劣化が影響しているのかもしれません。一応、電子レンジで調理可能となっているモデルですが、それも何十年も前の基準の話です。なので、いくらマイクロウェーブプルーフ/オーブンプルーフモデルでも気をつけないといけません。

    料理中の事故なので、誰も責められるべきではないと思うのですが、ここ月一で食器を割ってきている彼女にとって相当なプレッシャーなようです。

    捨てるのは勿体無い!割れたビンテージミルクグラスの活用法

    「もう怖くて料理できないからダイソーで食器を買ってくる」と財布を携え、颯爽と出て行こうとします。

    しかし、フリーランスのアートディレクター/デザイナーという生きているだけでストレスな人間には素敵な食器で食べる時が数少ない癒しなのです。安っぽい使い捨ての食器で食べることは許されません。

    落としても割れない食器?パイレックスのミリタリーモデル

    今までは、割れた後に再利用して少しでも罪悪感を紛らわせてきましたが、それも限界のようで、今後はいかに「割らせないか」を考える時が来たように思います。

    割れない食器なんてあるのでしょうか…

    ありました!
    それがこのPyrex Millitary Bowlです。

    「ミリタリー」なんていうと仰々しいですが、その名に違わないようなかなり存在感のあるアイテムです。

    それもそのはず、アメリカ軍から発注を受けたコーニング社が陸軍と海軍のために作ったモデルで、地球上で最も過酷な環境で戦う方々用ということであれば、相当にタフでなければいけません。持った時の重量感には驚かされます。

    軍にはボウルだけでなく、マグやプレートなども供給していていました。

    もちろんガラス製品なので割れますが、かなり頑丈な造りになっています。
    宣伝も兼ねた広告の実験では、壁に投げつけても壊れなかったそうです。

    Fire Kingと比較してみましょう

    さすがに上から落とすなんて実験は怖くてできないので、比較することでその頑丈さを検証してみたいと思います。

    右がファイヤーキングのチリボウルで、左がパイレックスのミリタリーボウルです。

    ミリタリーボウルの方が一回り大きく、また1.5倍ほど分厚いのがおわかりいただけますでしょうか。

    そのおかげで持った時にかなりずっしりと重量感を感じます。

    「割れにくい」と言えば、ファイヤーキングのレストランウェアもありますが比較してみると、パイレックスのの方が少し厚いような気がします。

    ボウルだけじゃなくて、マグもかなりオススメ

    ちょうどミリタリーモデルのHandwarmer Watch Mugも所有していますのでご紹介いたします。

    ぼてっとしたフォルムが可愛いですが、Handless Mug(ハンドレスマグ)とも呼ばれ、日本で言うところの湯のみに当たるものなのですが、結構大きくて手が小さな私は片手でホールドしておくのも大変、アメリカ軍隊に勤めているような方はきっと手が大きいようです。

    「ハンドウォーマー」ということは温かい飲み物を入れて、このマグをホールドすることで手を温めていたのでしょうね。寒い外にいる監視兵の方に重宝されたのではないでしょうか。

    1940年代から製造を始めて、第二次世界大戦以降も供給を続けていたようです。ということは大戦中に使用されていたものも残っているかもしれません。そのことを思うと、日本人にとしては少し感慨深いですね。

    とても頑丈なミリタリーモデルですが、タフな時代を生き抜くには必要なアイテムかもしれません。オススメです。

    それにしても、何十年も経て現代の私たちも魅了するビンテージミルクグラス。
    特別に強固な素材でないのに、ここまで綺麗な状態で残ってきたのは、歴代のオーナーたちに愛され、大事に使われてきたということも忘れてはいけません。

    ミリタリーアイテムだろうが、レストランウェアであろうが、これからも大事に扱っていきたいと思います。

     

      

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    ロサンゼルス・日本を中心に活動するフィルムメーカー/アートディレクターです。 米国のミッドセンチュリー期のテーブルウェアを中心にレビュー、撮影から日常のひとときまでシーンを彩る最適な食器を提案いたします。

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