2018/03/06

2年で製造を終えたあのパイレックスのモデルと華麗なディプレッショングラス

今週の収穫

2年で製造を終えたあのパイレックスのモデルと華麗なディプレッショングラス

2年で製造を終えたあのパイレックスのモデルと華麗なディプレッショングラス

  
目次

    今週の収穫は…

    Federal Madrid Pattern Pink Serial Bowl, Macbeth-Evans Pink American Sweetheart Sherbet Cups, Candlewick Saucers and Pyrex Terra Pattern Handless Mugs.

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    我々の業界はこの時期が一番忙しく、私も締め切りに追われてなかなか遠くに買い付けにいけなくなってしまったのですが、今週も珍しい出会いがありましたのでご報告させていただきます。

    今週の内訳は…フェデラルのマドリッドパターンピンクシリアルボウルマクベスエバンスのアメリカンスィートハートピンクシャーベットカップ(3)、キャンルウィックソーサー(10)とパイレックスのテラパターンハンドルレスマグ(4)の18 点です。

     

    まず始めにこちですが、1930年代のディプレッション時代に製造されたフェデラルのマドリッド柄のシリアルボウルのリプロダクト品でそれでも1970年代のビンテージものです。

    当時、ガラス会社にとってカラスを鋳造する金型は財産だったわけですが、ビジネスを閉じる時にその金型が売却されることがよくありました。その金型を使って違う会社が同じような製品を作ることはよくあることなのです。

    特にこのマドリッド柄は大人気で、当時なかった色も後にリプロダクト品として生産されました。

    同じ金型を使う場合はオリジナルとリプロダクトを見分けるのが大変ですが、エッチングの加工具合とスタンプの有無で判断したりします。

    こちらも同じくピンク色のガラスですが、正真正銘ディプレッション期のガラス、マクベスエヴァンスのスィートハートです。

    シャーベットカップやらアイスクリームカップなど呼び方が色々あるようですが、当時はこのフットがついた独特の形のカップが流行していたようで、他のガラス会社でも似たようなものを見ることができます。

    マクベスエバンスといえば、モナックスと呼ばれる薄い独特のミルクグラスが有名ですが、ピンクもまるで桜の花びらのようで違う美しさがありますね。

    続いてはキャンドルウィックのソーサーが10点です。

    もはやこのタワーが恒例となってきましたが、最近キャンドルウィックとの出会いが非常に多いのです。

    ソーサーなのでカップが無いと意味が無いと思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。
    キャンドルウィックのソーサーの素晴らしいところは通常のスモールプレートと違って少しカーブがついてたりするくらいのもので、普通にブレッドプレートのように使うことが出来ます。

    手元にちょうど良いのがアボカドしかなかったのですが、良い感じに収まっています。やはりこのつぶつぶが可愛いですね。

    そして、今日一番紹介したかったのがこちらのパイレックスの「テラ」のハンドレスマグです。

    ハンドレス、つまりはとっての無いマグ、日本で言うところの湯のみなのですが、その大きさは片手でホールドしておくのが大変なくらいで、同じくパイレックスのミリタリー用に作られたHandwarmer Mugというのがあるのですが、同じくらいのサイズ感です。

    高さはファイヤーキングDハンドルマグとほぼ一緒ですが、その差は上から見ると一目瞭然。円周もそうですが、ミルクガラス自体の厚みが1.5倍ほど違います。まるでレストランウェアのようです。

    マットな質感の黒に茶色のボーダーが施された、どちらかいうとポップなデザインが目立つパイレックスの中では渋いモデルでは無いでしょうか。

    どこか日本的だなと思うのですが、この「Terra」モデルはEarthenware(土器)を摸したユニークなパターンとのことです。

    男性ウケも良さそうなこのアイテムですが、1964年に発表後翌年の65年で製造が終わったそうです。どうも、この特殊なプリントのせいで製造コストがかなりかさんだとのこと。おかげで数も少なく、またマットのペイントは傷がつきやすく、状態の良いものは非常に数が限られてくるのです。

    ちなみに「Terra」はラテン語からきていて地球/大地という意味で、「Earthenware」は土器だということを学びました。中学の時は全く単語覚えられなかったのに、興味のあることに関しては全然苦ではありません。ビンテージは勉強になりますね。

     

      

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    ロサンゼルス・日本を中心に活動するフィルムメーカー/アートディレクターです。 米国のミッドセンチュリー期のテーブルウェアを中心にレビュー、撮影から日常のひとときまでシーンを彩る最適な食器を提案いたします。

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