アメリカには至る所にスリフトストア(いわゆるリサイクルショップ)がありますが、その中でも全米最大規模のチェーン店がGoodwillというお店です。
どの街にもある典型的なスリフトショップなのですが、実は通常のグッドウィルとはかなり様子が異なった新しいコンセプトの店舗があり、かなり衝撃を受けましたのでご報告させていただきます。
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件の店舗はロサンゼルスの南、オレンジカウンティのアナハイムにあります。ディズニーランドがある所、と言うとわかりやすいでしょうか。
それがこちらの店舗、その名も「RARE BY GOODWILL」です。
あまりにも一般的なグッドウィルとは外観もロゴも違い、すごく洗練されているので別事業者が勝手に名前を騙っているのではないか、と思ったのですがサイトで調べた結果、ちゃんとOC Goodwillによって運営されていました。
しかも、幸運なことに男性用のシャツなどが全品25%の特別セールが行われていました。
この日は祝日だったのですが、その時に来るとこのような割引があることが多いです。ただ、ホリデーによってはお店自体が閉まっている、もしくは営業時間が変わることもあるので要注意です。
店内です。
アメリカには「Urban Outfitters」という若者に人気なアパレルショップがあるのですが、まるでその店内のような華やかさでした。
これがグッドウィルとは信じられません。
カラーを意識したディスプレイがされていて、見ているだけでも楽しくなります。
普通のセレクトショップのようですが、ほとんどが中古品で(まれに小売店で売れ残った商品が流れ着くことも)、その多くはドネーション(寄付)なのです。
ここに並んでいるすべてのものが要らなくった価値のないものではなく、誰かがお金を出しても欲しいものばかりなのです。日本の感覚だとなかなか信じられないのですが、「これ売れば、それなりなりのお金になるんじゃないの」というような商品を見かけることも珍しくありません。
昔、ホストマザーに聞いたことがあるのですが、これはキリスト教の教えに影響が強くあるようで、持つ者は富を独占せず、持たざる者に施すことが徳とされるそうです。
一般的なグッドウィルと違って、綺麗にたたんで並べてあります。まるでアメリカの人気セレクトショップ「Urban Outifitters」のようです。
実際ここに並んでいるのは、通常のグッドウィルのドネーションセンターで集まった寄付品の中から、専属バイヤーが状態が良かったり、人気がある物だったり、特に価値がありそうな物を選別し、こちらの店舗に並べているそうです。
店頭の奥にはお店のコンセプトでも「WE ARE ANYTHING BUT ORDINARY -WE ARE RARE」を示した圧巻のブックアートがあります。これも寄付された本を再利用しています。
寄付品は家電だったり服だったり、様々な物がありますが、単なる誰かの不用品ではなくて、そこに全く新しい価値がある、ということを示しているのでしょう。
ビンテージの食器もありました。
私が大好きなPyrexのフレームウェア、コーヒーを入れることができるパーコレータを完品で発見したのですが、私はすでに4セット所有しているので今回はスルーさせていただきました。
ただ、あまり食器類はないので、これ目当てで来ると肩透かしを食らうような気がします。
中古のレコードも豊富に揃っているのですが、試聴ができるようにCROSLEYのレコードプレイヤーが置いてありました。
持ち運びができる、アメリカでは十代二十代の若者に人気のプレーヤーなのですが、このことからもこのお店のターゲットが通常のスリフトに興味のなさそうなおしゃれ感度の高い若者にあることを感じられます。
せっかく来たので、私も何か購入することに。
ちょうど、Banana Republicの緑色のストライプシャツで状態が良いものがありました。
ちなみに最近のマイブームで、スリフト回るときに食器をだけでなく、シャツコーナーを見て、良い感じの緑色ストライプロングスリーブシャツがあると購入しています。
すでに30着に迫る勢いで毎日違うシャツを来ているのですが、他の方には同じように見えるらしく、「洗濯しないの?」とよく訊かれます。
この日も勿論、同じような緑色のストライプシャツを来てレジに向かうのですが、アメリカの店員さんはかなりの確率で突っ込んでくれます。
値札では$12.99でしたが、この日はメンズのシャツ25%オフなので結局$10くらいでした。通常のグッドウィルよりもほんの数ドル高い位ですね。それでも、この状態のモノがこの値段で買えるわけですので、バカにできません。
お得な買い物も出来て、また結局この$10も福祉活動に使われるわけですから、支払いすることに罪悪感を全く感じません。
中古というと人によっては汚いとか不要とかネガティブなイメージを持たれているかもしれませんが、引越しのたびに捨てられるモノと違って、長い間使っていける耐久力と「これからもずっと大切にしていきたい」と思わせるような価値があります。ただ安いだけが、中古品の魅力ではありません。
この店舗はその価値をよりわかりやすい形で、今までに疎遠だった人たちに訴求しています。
今後環境問題がより深刻化していく中で、限られた資源を有効に使う手段として中古事業はより存在感を増していくことでしょう。
時と場所を超えて、何度でも愛してもらえることこそがビンテージの一番の価値ではないかと改めて感じさせられる体験でした。